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| 足の甲の痛みとは? |
私の足の外来に足の甲の痛みで御来院なさる方は数多くいます。この痛みは外反母趾、扁平足などと違って、痛みの原因が判りにくいのです。この痛みが難しい理由は、骨、関節、神経、腱など多くの原因が重なるからです。例えば、外反母趾があり、そのために足の甲の骨が出っ張りが神経を圧迫する事が多くあります。| 足の甲の痛みの原因は? |
| 原因 | 代表的な疾患 | 特徴 |
| 皮膚・皮下組織 | 蜂窩織炎 | 高齢者でよく見られます。広範囲に皮膚が赤くなります。 抗生剤が有効です。 |
| 腱 | 長母趾伸筋腱炎 長趾伸筋腱炎 | 過度な運動や靴のベロが当たって生じます。インソールと靴のベロの調整を行います。 |
| 神経 |
足背皮神経炎 深腓骨神経障害 前足根管症候群 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 頸髄神経根症 など |
この項目は、
「足のしびれ.....」を御覧ください。 足背の知覚を支配する神経の障害により起こります。腰が原因でも必ずしも腰痛を伴いません。 例えば軽いヘルニアと軽い前足根管症候群が重なると症状が強くなり、ダブル・クラッシュと呼ばれます。 |
| 骨 | 足背の骨棘 中足骨疲労骨折 Os intermetatarseum (オス・インターメタターセウム) | X線写真、3D CT, MRIなどを駆使して診断します。 特に疲労骨折は初期のX線では見つからず、1-2週間後に写ります。 |
| 関節 |
リスフラン関節症 痛風 関節リウマチ | 関節の病気ではMRI が必要な事もあります。 血液検査が必要です。痛風による痛みが足背だけに来る事は極めて稀です。 |
| 足背の骨棘とは? |
足背の骨棘は多い順に、リスフラン関節背側の骨棘、強剛母趾、中足骨の背側骨棘、フライバーグ病(第2ケーラー病)です。
足背の骨棘はリスフラン関節に多く発生します。靴のベロが当たると強い痛みを生じます。
中足骨の背側骨棘です。靴が当たって生じる事もあります。骨棘は骨組織からなり外骨腫とも呼びます。
上の中足骨の背側骨棘の拡大写真です。先端が尖っているので強い痛みがあります。| 中足骨疲労骨折とは? |
同じ足の1回目と2週間後のX線写真です。左の写真ではわずかに疲労骨折が疑われましたが、2週間後に取ると明らかな仮骨があり疲労骨折が確認されました。私が経験したのは中足骨疲労骨折は11例で第2中足骨,3中足骨で頻度は同じ割合でした。| オス・インターメタターセウムとは? |
中足骨の間にある過剰な骨です。これは3D CTで右足を前から見た再構築画像です。小さいタイプは数多くあり、痛みも有りませんが、稀に大きくて痛みを伴う事があります。| リスフラン関節症とは? |
リスフラン関節の変形、痛みを生じる疾患で、重度の外反母趾に伴う事が多くあります。これはMRIで第2中足骨の関節に強い変化が見られます。| 痛風で足の甲が痛みますか? |
1回目の痛風発作は母趾の付け根で強い痛み、腫れと赤みを伴います。痛風で足の甲が痛む事は稀です。痛風の原因である高尿酸血症を治療しなければ、しだいに他の関節も痛むようになります。