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足と靴の医学 / 整形外科医師 : 町田英一

2016年3月24日更新
フライバーグ病(第2ケーラー病)に関する質問集

フライバーグ病とは?
xp_17  第2または第3足指の付け根の関節が変形してくる原因不明の病気です。主に13歳から17歳の女子に始まりますが、男性、成人にも見られます。中足骨頭(足指の付け根)の痛みと変形があります。その関節の動きが悪くなる事もあります。第2 中足骨頭が最も多いですが、まれに第3、第4中足骨にもあります。病変は通常は片足で1カ所のみです。そして慣れていない運動の後に生じる事も多いようです。

 左の写真は17歳女性、右足、第2趾背側に骨性の隆起を触れます。運動時に痛みがあります。



フライバーグ病の症状、X線写真は?
xp_17  上の写真の17歳女性の右足の正面X線写真です。第2中足骨の骨頭が扁平になっています。他の中足骨と比べると明らかです。

freiberg_17f_XPlat.jpg  同じ足の側面X線写真です。第2中足骨の骨頭が背側に突出しており、ルース・ボディも見られます。ルース・ボディは剥がれた軟骨で関節ネズミとも呼ばれます。


freiberg_13f.jpg  13歳女性のX線写真で、第2中足骨の骨頭の一部が薄く見えます。初期の段階のフライバーグ病です。


写真  この写真は59歳女性で、足背に触ると骨が隆起しています。

freiberg_59f_xp.jpg  上の例の正面X線写真です。左足の第2中足骨の骨頭が扁平になっています。反対側の中足骨と比べると明らかです。


freiberg_xp_three.jpg  第2,3,4中足骨のフライバーグ病です。フライバーグ病は第2中足骨に多いのですが、第3,4中足骨にも見られる事があります。



freiberg_xp_18.jpg  18歳女性のX線写真で、右足の第2中足骨の骨頭が変形しています。中程度のフライバーグ病です。

写真 CTで見ると右第2中足骨の上に骨隆起が見られます。

freiberg_3d_ct_18.jpg3D CTで見ると、立体的に骨隆起を観察できます。このため、腱が擦れたり、他の軟骨にぶつかり、痛みが出ます。

フライバーグ病の原因は?
freiberg50_mild_xp.jpg 50歳の女性の左足の痛み。 パンプスを履いていて、しだいに痛みが出ました。X線写真では第2中足骨骨頭が一見正常に見えますが、わずかに軟骨が変形しています。

MRI しかし、MRIを撮ると、明らかに第2中足骨骨頭の変化が見られました。つまり、こうした、軽い外傷の一部がフライバーグ病に発展すると思います。

この程度であれば多くの場合、自然に治ってしまいます。


フライバーグ病の治療は?
 一般的に足底挿板を用います。ドイツの整形靴または深さの深い運動靴を用いて、厚い中敷きを使うのが最良です。厚い中敷きの第2中足骨の骨頭部分への圧力が減るように薄くします。それ以外の部分、特に中足部の横アーチを厚くします。痛みが強い場合には手術を行う事もあります。


フライバーグ病の手術は?
freiberg_1999_preop.jpg  指を上に曲げた時に強い痛みがあり、触ると骨の出っ張りを触れ、なおかつX線写真で骨が隆起している場合には手術を行います。特にルース・ボディ(遊離骨片)がある場合には、関節軟骨の破壊が進行しますから、積極的に手術を行っています。

手術方法はルース・ボディ切除、関節唇切除、背屈骨切り術などを行っています。

 この患者さんには関節唇切除術を行い良好な結果を得ています。 足関節ブロック(局所麻酔)をして第2趾の背側を開けサージタル・ソーで骨隆起を丸く削りました。

freiberg_1999_postop.jpg 手術後7ヵ月、痛み無く背屈できるようになりました。手術後も整形靴を履いてもらい、再発を予防しています。

フライバーグ病の歴史は?
 1914年にアルフレッド・H・フライバーグ (Alfred H. Freiberg) は前足部痛が有り、第2中足骨骨頭部のinfraction、つまり「転位の無い骨折」として6 例を報告し、英語圏ではFreiberg infractionと呼ばれています。その後1923年にKohler(oはウムラウト)が記載し、ヨーロッパでは第2ケーラー病とも呼ばれています。
 原因不明の中足骨頭部無腐性壊死とされていますが、私は、Freibergの説どおり軟骨骨折であると考えます。なお、ドイツ人の発音を聞くと、私には"ケーラー" より "クーラー"と聞こえます。有名な割に症例は少なく私は17例を拝見しました。また、フライバーグはドイツ語ではフライ・ベルクと発音します。

文献
Freiberg,A.H.,Infraction of the second metatarsal bone- a typical injury.,Surg. Gynecology and Obstetrics.,19,191-193,1914

Freiberg, A. H., The So-called Infraction of the Second Metatarsal Bone. Journal of Bone and Joint Surgery, 8, 257. 1926

Kohler, A.,Typical disease of the second metatarsophyalangeal joint.,Am. J. Roentgenol.,10,705,1923

G.T.F. Braddock,Experimental epiphysial injury and Freiburg’s disease,J.B.J.S. 41B 1959
Full paperのPDF 外部リンク

Helal B.,Metatarsal osteotomy for metatarsalgia.,J.B.J.S.,57B,187-192,1975

町田英一,特集,最近の骨壊死の診断と治療,足,距骨骨壊死,Kohler病,関節外科,19(5),120-123,2000

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