2015年11月22日17:00 ~ 18:00 第29回 日本靴医学会_抄録
マチクリップによる軽度、中等度の巻き爪に対する gradual orthonixy
Gradual orthonixy treatment using Machiclip for mild, moderate pincer nails.
町田 英一 (まちだ えいいち)
高田馬場病院整形外科 (Takadanobaba hospital)
【目的】
巻き爪は時間を掛けて矯正するgradual orthonixy が優れていると考えている。状来、マチプレートMD、マチワイヤMDを用いて治療して来たが、再発が多く、1-2ヵ月毎に病院に来院する必要があった。そこで自分で簡単に出来る爪矯正具、マチクリップ (一般医療機器 2015年4月 tama-medical.com ) を開発、試用したので報告する。
【方法】
マチクリップはニッケル・チタニウムの形状記憶合金ワイヤ部とチタン製のU字型部から成る。爪と爪下の皮膚の間に自分で挟み込み絆創膏で固定する。一定の矯正力が長期間持続するため強い矯正力が得られる。マチクリップは爪の厚さ1mm, 1.5mmまでに対応する。ワイヤ部は太さが0..3, 0.35, 0.4, 0.45mmが有り、マチクリップの幅は、12mm, 15mm, 18mmを定型とした。それ以外の幅のサイズは専用器具により作成出来る。マチクリップの使用開始時には、当院で装着して15分位歩いてみて、強さとサイズを試してから使った。マチクリッブは紛失し易いので、入浴時には取り外し、ハイヒールを履く時にも外す事ができる。母趾の爪、男性8例、女性15例の23例に2ヵ月以上使用した。
【成績】
19例は毎日、4例は週に1-2回していた。19例は痛みが消失したが、マチクリップの使用を中止すると、1-2日で痛みが再発した。3例は痛みが強い時にはマチワイヤMDも併用した。2例は紛失したため再度購入した。
【結論】
マチクリップは自分で装着出来る簡易な爪矯正具として、軽度、中等度の巻き爪に有用である。マチクリップはサイズ、強さが選択でき、適応が広い。チタン合金のため軽量で壊れにくい。重度の例ではマチワイヤMDで矯正してからマチクリップで容易に維持できる。
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